学習塾にはどんな種類がある?
学習塾にはいくつかの種類があり、代表的なものとして「集団学習塾」や「個別指導塾」があります。最近では映像を利用した「映像授業塾」なども増えており、最適な学習塾を見つけるためには、それぞれの特徴について理解しておくことが大切です。ここではそんな学習塾の種類ごとの特徴についてご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
集団学習塾
集団学習塾は講師1人に対し生徒が5人以上、多くて30~40人ほどで授業を受けるスタイルの学習塾です。学校の授業形式に近く、基本的にあらかじめ組まれたカリキュラム通りに授業が進められていきます。
クラスは学習塾ごとに分け方が異なりますが、一般的には学力別または志望校別でのクラス分けが行われます。全国展開しているような大手の集団学習塾も多く、広告やCMなどで一度は目にしたことがある方も多いかもしれません。
とくに全国に教室を持つ有名な集団学習塾は、数多くの生徒を見てきたことから実績が豊富で、指導力が高い講師が集まりやすい傾向にあります。また受験に関するノウハウも充実していることから、レベルが高い学習指導を受けられるでしょう。
同じような目的を持つ生徒同士が集まって授業を受けるため、お互いを意識しながら切磋琢磨して勉強を進めていけることから、モチベーションを保ちやすいというのも集団学習塾の特徴です。ただし生徒一人ひとりの習熟度に合わせた授業を行うことが難しいため、一度分からない部分が生まれてしまうと、その後の授業についていけなくなってなってしまう可能性があります。
個別指導塾
個別指導塾は講師1人に対して、生徒が1人または2~3人の少人数で授業を受けるスタイルの学習塾です。少人数の場合でも同じ内容の授業をするのではなく、生徒一人ひとり個別にカリキュラムを組み、それに合わせた指導を行うのが特徴です。
そのため学校の授業の遅れを取り戻すための指導、苦手な部分を克服するための指導、受験に合わせた指導など個々の習熟度や目標に合わせた指導が可能となっています。最近では全国展開しているような個別指導塾も増えており、ニーズが高まっていることから質の高い講師に対応してもらえる個別指導塾も多いです。
講師と生徒の距離が近いため質問しやすい雰囲気であり、また生徒の性格や特性などを理解してもらいやすいため、きめ細やかなサポートができるのも個別指導塾の特徴です。集団学習塾でついていけなくなってしまった場合や、大勢の中では萎縮してしまい勉強に身が入らない場合などに個別指導塾が向いているでしょう。
ただし集団学習塾のように大勢の仲間がいる環境ではないので、競争心が生まれにくくモチベーションを保ちにくいケースもあります。また集団学習塾に比べて料金が高めになっているので、その点でデメリットを感じることもあるでしょう。
映像授業塾
映像授業塾は、学習塾の校舎に行きパソコンでできる映像授業を受け、分からない部分は担任助手や校舎の先生から指導を受けられるスタイルの学習塾です。映像授業というのは全国でも実績豊富な講師や、さまざまな予備校で人気のある講師が行う授業を撮影し、その映像を見ながら学んでいくという方法です。
指導の形式としては集団学習塾よりも個別指導塾に近く、自分のペースで学習を進めていくことができます。また映像授業に登場する講師は圧倒的な情報量を持ち、ハイレベルな指導ができるので、ほかの学習塾の形式に引けを取らない授業内容となっています。
映像授業は数多くの種類が提供されているので、講師が自分に合わないと感じたらほかの講師の授業に切り替えることが可能です。さらに授業は巻き戻して何度も聞くことができ、理解するまでじっくりと学べるという特徴もあります。
ただし映像授業は自分のさじ加減でたくさん学ぶこともできればサボることもできます。誰かに見られているわけでもないので、集中していなくても注意されることがなく、授業を受けているのに身につかない可能性もあります。
学習塾に入るメリット
そもそも勉強は、学校の授業や自習で進めていくことも可能です。そのためわざわざ学習塾に通う必要がないのでは?と考える方もいるでしょう。そんな方のために、ここでは学習塾に通うことで感じられるメリットについて詳しくご紹介していきます。
基礎学力を付けられる
学習塾に通うことで、学校の授業の予習や復習をする機会が設けられるため、基礎学力をしっかりと身に付けられるというのは大きなメリットです。学習塾では学校でわからなかったことをわかるまで説明してくれたり、わかるような方法で指導してくれたりするので「わかったつもり」を防ぐことができます。
また予習をしておくことで学校の授業がわかりやすくなり、勉強が楽しいと思えるようになることもあるでしょう。このように予習や復習をしっかりと行い基礎学力をつけていくと、学校の授業に遅れる心配もなくなり効率的に勉強することができます。
そして学力を確実に付けていくためには、継続して学ぶ機会を設けることが重要です。学習塾に通うことで定期的に机に向かって勉強する習慣を身に付けられるので、自然と生活の中に勉強が組み込まれるようになります。すると勉強することが当たり前になるので、精神的にも無理なく学んでいくことができるようになります。
モチベーションが高まる
学習塾は、勉強へのモチベーションを高めるためにも最適な場所であるといえます。集団学習塾では同じ目標を持つ仲間たちから刺激を受けてやる気アップできるケースもありますし、個別指導塾では気軽に質問ができることから苦手を克服しやすくやる気アップに繋がるケースもあります。
また学習塾に行くこと自体が勉強へのスイッチになることもあり、自宅では集中して勉強に取り組めない子どもでも学習塾なら集中力が持続することも珍しくありません。さらに普段とは違う環境にいることで多少の緊張感が生まれ、集中しやすいという子どももいるでしょう。
勉強を嫌いになるきっかけとして、授業がわからなくなってしまうことが挙げられます。つまり逆を言えば授業についていければ勉強を好きになれる可能性があるということです。学習塾に通って授業がわかる状態を保つことができれば、勉強への苦手意識を感じることなくモチベーションを保ったまま楽しく学ぶことができるはずです。
受験対策ができる
多くの学習塾では受験に関するさまざまな情報を持ち、たくさんの生徒を合格させてきた実績やノウハウがあります。受験はしっかりとスケジュールを組んで、効率よく勉強を行っていくことが必要不可欠とされていますが、その方法についても学習塾で教えてもらうことができるのです。
とくに難関校などを受験する場合、個人が収集できる情報には限りがあり、学習塾に通っていないと得られない情報も多いといわれています。できるだけ負担を減らして効率よく学び、合格を掴み取るためにも学習塾に通うのがおすすめです。
また授業を受けるだけでなく、受験についての悩みを講師に相談することもできるので、そういった面でも不安を感じにくくなるでしょう。家庭内ではサポートしきれない部分を、学習塾でサポートしてもらうことで家族も安心して子どもの受験を応援したり見守ったりすることができます。
学習塾の費用相場
学習塾を検討する場合、ご家族が不安を感じやすいのが費用についてではないでしょうか。ここでは「集団学習塾」「個別指導塾」「映像授業塾」それぞれの費用相場をご紹介するので、学習塾を検討する際の参考にしてみてください。
集団学習塾
集団学習塾の授業料の相場は、月額9,900円~2万1,000円程度となっています。授業料とは別に入会金として0円~2万5,000円程度、定期テスト前の補講費として0円~1万5,000円程度、季節講習ごとに2万円~5万円程度などがかかります。
教材費は授業料に含まれていることもあれば、別途必要になる場合もあるので事前に学習塾に確認しましょう。またこれ以外にも、指導料やテスト費、施設費、維持費などの名目で料金が発生することもあります。
そして学習塾は学年が上がるにつれて費用が高くなっていくのが一般的です。たとえば小学校6年生の授業料の平均が月額2万8,000円前後であるのに対し、中学校3年生では3万6,000円前後、高校3年生では4万1,000円前後となっています。また大学受験の場合は医学部専門コースなど特殊なコースを受講する場合に金額が大幅に上がり、年間100万円ほどかかるケースもあります。
個別指導塾
個別指導塾の授業料の相場は、月額1万5,000円~3万5,000円程度となっています。集団学習塾同様、授業料と別に、入会金として0円~3万5,000円程度、定期テスト前の補講費として0円~1万5,000円程度、季節講習ごとに2万円~5万円程度などがかかります。
またこちらも集団学習塾と同様に、教材費が別途かかる場合や指導料やテスト費、施設費、維持費などの名目で料金が発生することもあります。全体的に見て個別指導塾の方が集団学習塾よりも高く設定されており、また選ぶ塾によって費用の差が大きいことがわかります。
学年別の授業料平均を見てみると、小学校6年生では月額3万3,000円前後、中学3年生では3万6,000円前後、高校3年生では4万5,000円前後となっています。また大学受験の場合完全マンツーマンの学習塾で難関校志望、かつコマ数を増やした場合は年間100万円を超えるケースも十分考えられます。
映像授業塾
映像授業塾は幅広い形式があり、それぞれ費用も大きく変わります。たとえば自宅で映像を見るだけであれば月額1,000円前後から設定している学習塾があるので、年間2万円前後で授業を受けることができます。高くても年間10万円程度であるケースが多いでしょう。
ただし校舎に通って講師のサポートも受けられるタイプの映像授業塾では、月額2万円前後となっている学習塾が多く、年間50万円~100万円程度になることもあります。また月額ですべての動画を見放題の映像授業塾もあれば、1講座いくらと金額が決まっている映像授業塾もあるので、料金形態は事前にしっかりと確認しておきましょう。
映像授業塾はサポート内容が手厚くなるほど費用も高くなる傾向にあるので、そのあたりを踏まえて学習塾選びをしていく必要がありそうです。
「学習塾選びで重視するポイントは?」WEBアンケートで調査!
ここまで学習塾についてさまざまな解説をさせていただきました。ところでいざ学習塾を選ぶとなると、どのようなポイントを重視すればいいか迷われている方もいるのではないでしょうか?
今回はそのような方のために「学習塾選びではどのような点を重視するか」についてWEBアンケート調査を行いました。それでは結果の詳細をみていきましょう。
第1位は「費用」で21%でした。学習塾の月謝は毎月かかるので、少しでも家計の負担にならない金額で通える学習塾を選びたいという方も多いでしょう。
とはいえ価格だけで選んでしまうと指導が物足りなかったり、充分なサポートが受けられないかもしれません。一概に高いから良い、安いから悪いとはいえないため、指導やカリキュラムの内容、サポートの充実度などをしっかり確認して、価格に見合うサービスを提供している学習塾を選びましょう。
第2位は「カリキュラム」で17%でした。学習塾では予定されたカリキュラムに沿って授業が進んでいきます。カリキュラムは塾ごとにそれぞれ異なるため、お子さんの学力や性格にあったカリキュラムを提供している学習塾を選んでください。
「授業形式」も同じく17%でした。授業形式には個別指導と集団指導がありますが、周りの学生と切磋琢磨しながら勉強を頑張りたいお子さんには集団指導がおすすめです。
集団指導は、他の生徒と一緒に授業を受けることが刺激になりモチベーションを保ちやすくなるだけでなく、他の生徒から講師への質問を聞くことで新たな気づきを得たり、学習内容への理解度がさらに深まったりするメリットがあります。
アンケートの結果は以上となります。次の見出しでは失敗しない学習塾の選び方について、さらに詳しく解説させていただきます。
失敗しない学習塾の選び方
学習塾はさまざまな種類があり、かつ各地域に数多く存在しているので、どのようにして学習塾を選べばいいかわからないという方も多いはずです。ここではそんな方のために、学習塾選びの際にチェックしたいポイントをご紹介します。入塾してから後悔しないようにするためにも、ぜひ慎重に学習塾選びをしていきましょう。
授業形式で選ぶ
まずチェックしたいのが学習塾の授業形式です。あらかじめ決められたカリキュラム通りに授業が進んでいく集団学習塾と、一人ひとりに合わせたカリキュラムを組んでマイペースに進めていく個別指導塾、質の高い講師による授業を体験できる映像授業塾など、塾の種類によってその特徴は大きく異なります。
授業の雰囲気や通っている生徒の雰囲気も授業形式によって大きく変わるので、どのような授業を受けたいのかを考えて授業形式を選びましょう。また子どもの性格によって向き不向きもあるので、授業の内容だけでなく不安やストレスを感じずに通えるのがどの授業形式なのかも考えてみるといいかもしれません。
もちろんどれかに絞るのではなく、教科ごとに使い分けて通うというのも1つの手です。より効率的に学力アップや受験対策を行なうためには、学びやすい方法を見つけることが大切なので、そのあたりも考えながら選んでみてください。
最近では集団授業だけ、個別指導だけではなく、集団授業と個別授業、また映像授業のすべてに対応している学習塾もあります。適正を見極めるためには、このように幅広く対応してくれる学習塾を選ぶのもおすすめです。
目的や目標を明確にする
学習塾に通う際には、まず目的や目標を明確にすることも重要なポイントです。最終的に「成績を上げること」が目標の場合と「受験対策をすること」が目標の場合、また「学習習慣を身に付けること」が目的の場合では選ぶべき学習塾も変わってきます。
そもそもなにを目的に学習塾に通うのかを通う本人が把握し納得していないと、どうしても「親に言われたから」という意識が芽生えてしまいがちです。すると学習塾に通うことが面倒に感じたり、勉強させられているという意識が強くなるために勉強に苦手意識を持ってしまったりする可能性があります。
そうなってしまうと途中で授業についていけなくなることや、塾を嫌がるようになることで挫折してしまうことも考えられます。せっかく通い始めてもこのような事態に陥っては意味がありません。
このようなことを防ぐためにも、学習塾に通う前に家族でしっかりと話し合い、子どもが「なぜ塾に通うのか」「塾で叶えたいこと」を自分で考えて納得することが大切です。そして子どもが納得したうえで、その目的や目標を達成できるような学習塾を選びましょう。
費用や知名度だけで決めない
学習塾は多くの費用がかかるのもでもあるので、親としてはできるだけ費用を抑えたいと考えるかもしれません。もちろん家庭の経済状況に合わせて予算を決めることは重要ですが、ただ単純に安いだけで選んでしまうのは危険です。
安くてもしっかりとしたカリキュラムを組んでくれたり、手厚いサポートをしてくれたりと、子どもが不安を感じずに通えるような塾であることを前提に費用をチェックしましょう。なかには授業料が安くても講習やテスト対策などそのほかの料金が高く、トータルで見るとほかの学習塾と同じくらいの費用、もしくは高くなってしまうこともあるので注意が必要です。
また学習塾選びの際には、知名度や実績だけで選ぶのもやめましょう。たしかに大手の学習塾は合格実績も豊富で安心感があるかもしれませんが、どれだけ有名であっても通う本人に合う学習塾であるかどうかはわかりません。
学習塾は講師や生徒の雰囲気、カリキュラム、授業形式などによって通いやすいかどうかが大きく変わるものでもあるので、まずは体験授業や見学などに訪れて、不安なく通える環境や授業を提供しているかを確認することが大切です。もちろん本人の意見を1番に考え、長く楽しく通えそうな学習塾を見つけましょう。
ニーズに合った学習塾を選ぼう!
学習塾は子どもの成績アップや学習習慣をつけるため、また受験対策など勉強に関するさまざまなサポートをしてくれる場所です。ただし目的や目標、また子どもの性格や性質に合わせた学習塾を選ばなければ、思ったように学習を進めることができず途中で挫折してしまうかもしれません。
確実に目標を達成するためにはニーズに合った学習塾を選び、楽しく学べる場所を確保することが大切です。沖縄県にもたくさんの学習塾がありますが、まずは体験授業や見学に訪れて子どもが安心して通える塾を選びましょう。